『ご卒業おめでとうございます』『最後の楽しい思い出たくさん作ってきてくださいね』
そんな言葉を何度言ったでしょうか…。専務の伊藤です。
桜工房では今まさに、卒業式シーズンのまっただ中です。短大・4大・専門学校を卒業されるお嬢様、卒業生を送り出す保育士さんや学校の先生、お子さんの卒業式に出られるお母様、そして幼稚園・保育園のかわいい娘たち…。いろいろな人たちに様々な思いで着物や袴を着ていただいています。
早い日は朝4時から桜工房プレミアムは明かりがつき、桜工房のスタッフはお客様をお迎えしています。川平屋の社員も交代で着付けのお手伝いをし、みんなで協力してお客様を送り出すこと、本当にうれしく思います。
川平屋の社長と結婚する前に、着付け教室で2年半講師(というか助手?)をしていた私は、商売など全く知らずに呉服屋に嫁ぎ、出来ることは「着物をきせてあげる事」しかありませんでした。私のわがままで始まった「お買上いただいた着物は何度でも着付けはサービス」も今ではすっかり定着し、大勢のお客様に着物を着ていただける様になりました。
とはいえ、3月に入ってほぼ1ヶ月間休みなし。「大変ですね」と言われますが、専務という立場上、お客様の声を聞く事、言い換えればクレームなのですが、その事に比べれば、着付けの時は「ありがとうございます」と必ず言っていただけて、お客様の笑顔を見られます。呉服や冥利に尽きると言えば言い過ぎかもしれませんが、私が一番「着物屋をやっていて良かった」と思う瞬間です。そして「ありがとう」の一言で眠気も吹っ飛び、明日も頑張ろうと思うのは、多分うちのスタッフも同じだと思います。
話は変わりますが…思いおこせば32年前、私も袴をはいて卒業を迎えました。と言っても大学がミッション系で、なぜか愛知県でも私の母校だけが黒のスーツにマントと角帽という(現在では袴と聞いていますが)卒業式の服装だったので、卒業アルバムの写真はせめて袴で撮りたいねという事で、矢絣の着物に紺の袴で名古屋城にカメラマンを引き連れていった事を思い出します。
今ではこのメンバーも50過ぎのいいオバサンですが、袴のお嬢さんたちを見ると、未だに楽しかったあの頃を思い出すのは何故でしょうか…。きっと今まさに卒業式を迎えるお嬢様たちも何年後かに卒業式の袴の姿を思いだし、懐かしんでくれることを願います。
「ご卒業おめでとうございます」
さあ、明日も早起きして頑張ります!!
私の32年前の写真です。右下が専務です(笑)